今後の公共工事受注に求められるものとは?
シリーズ 公共工事の発注や都市計画、建築指導行政を行っていた 一級建築士の方にお話を伺う。
第一弾 「今後の公共工事受注に求められるものとは?」
公共工事の受注に関して実際に現場で 公共工事の発注や都市計画、建築指導行政を行っていた一級建築士の方にお話を伺ってきました。公共工事の入札方式である、総合評価方式で行われる場合に気を付ける点や今後重要視されるであろう内容を伺いました。
公共工事は一般競争入札から総合評価方式に
「まずは公共工事の入札方式に関して教えてください。」
公共工事の入札では一般競争入札が一般的ですね。これは公共工事などで工事施工業者を決定する方法の一つで、発注者が図面や仕様書を作成し、それに対して受注を希望する業者が金額を提示していく手法です。
条件をクリアしていれば、入札に参加した業者の内、最も安い金額を提示した業者が受注するものです。発注者が提示する条件(図面や仕様書など)をクリアした上で、一番安くできるのがメリットですが、条件ギリギリの仕上がりになることも多く、公共事業が安かろう悪かろうと言われている一因でもあります。
ただ近年では金額だけで判断せず、工事中の安全性の確保や最新技術の導入など、より民間の能力を活かして受注業者を決定できる総合評価方式なども用いられるようになりました。これにより、公共工事にも品質の確保や環境や安全面への配慮などが求められるようになりました。
総合評価方式の評価対象は?
「では、総合評価方式では具体的にどういったことが評価対象なのでしょうか?」
私が特に注目しているのは、働き方改革についてです。建設現場では週休1日制が一般的ですが、週休2日制などの導入も総合評価方式での加点になる場合が増えてきており、国土交通省も建設業の働き方改革は推進しています。休日数の他には女性作業員用のトイレや更衣室の整備なども加点となる場合があります。実際、工事現場で働く女性も近年は15%前後となっており増えてきています。作業員10人に1人以上は女性という割合ですね。従来と同じ仮設計画を検討していた現場はこれを機に見直してみるといいかもしれません。
働き方改革以外では最新技術の導入も非常に重要な採点項目です。公共工事の場合、標準的な仕様は定められており、一般入札では標準仕様を超えるような設計はできません。そのため、この標準仕様を超えるような最新技術の導入と言うのは、まさに公共工事に求められていることなのです。例えばICT技術の導入。ドローンによる高所の点検作業やレーダーを使用した測量、工程管理へのアプリの導入などもあるでしょう。
ポイント! 総合評価対象
- 週休二日制の導入
- 女性作業員の労働環境改善
- ICT技術の導入
- ドローンの活用
- レーダー測量
- 測量、工程管理アプリの導入
今後の公共工事は?
「今後、公共工事を受注するためにはどうすれば良いでしょうか?」
これからの公共工事ではプラスアルファが求められます。大企業であれば様々分野に強みもあるでしょうが、中小企業ではいかに特徴を出して強みを作っていくかが重要になってきます。新しいシステムや特定の分野に関する人材の確保、重機や機材の整備など、強みを作り出すことを考えながら行うといいでしょう。
まとめ
今後の公共工事の入札に関しては、入札条件次第であるため、総合評価方式の評価対象はあくまでも一例との事ですが、ICT建機の導入や最新の測量技術などの導入を今後は見据えて事業計画を立てていく必要があるかもしれませんね。
マスカスを利用して、最新の建設機械の購入や古くなった建設機械の売却をすることで、今後の公共工事に備えてください!
mascus Japan